みくまり~あの日の言葉呼び起こす

CHAGE&ASKA、ASKAのこと。人生そのものの彼らについてひたすら語る

大雪の幕張メッセライブ1994 〜史上最大の作戦

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 あれは忘れもしない1994年2月12日。

私はCHAGE&ASKA史上最大の作戦のライブチケットを持っていた。

友達を誘って2枚分。

初のツアー参加(この時はFC限定のもの)を12月の武道館で成し遂げ、

さらにもう1回分確保していたものだ。

 

しかし、この日は朝から大雪…

嘘でしょ…

いや行く!絶対何が何でも

行く意思を母に告げたがこの時まだ中学2年生

幕張メッセまでは電車で1時間半。

ニュースでは電車が雪のために遅延や運転休止を報じている

さらにはいろんなイベントやコンサート中止のニュースも。

「行けるわけないでしょ!」と母は当然のように反対

でもチャゲアスのFCの電話などでは今日のライブは中止とは言ってないのだ。

どうにか行かせてとお願いしてもお許しが出ず、

「約束してる友達にも「今日は行けない」と断りなさい」と言われ

電話するも出ず、もう待ち合わせ場所に行ったのかと

愕然としながら(一応チケットを持って)駅に向かった。

 

そして駅。

友人は友人のお母さまと来ていた。

断ろうと話をしたら

「あら、うちの子は行くつもりよ。近くまでついてってあげるから

行ってきたらいいじゃない」

とあっけらかんと友人母。

一気に希望の光が見え、私は母に公衆電話から電話をかける

「○○ちゃんのお母さんが途中まで連れてってくれるから行ってくる!!」

それだけを告げて先を急いだ。

 

しかし、電車は遅延続き、ようやく乗るも思うように進まなかったり。

友人母は東京駅の乗り換えあたりまで来てくれて

あとは二人で海浜幕張まで向かおうと思った。

 

そしてまた困難。

幕張メッセ最寄り駅の海浜幕張までの電車がストップしてるということで

仕方ないから総武線幕張駅まで電車で向かった。

もうすでに開演ギリギリ。

しかも幕張駅から幕張メッセは1キロ以上は歩かないといけない。

大雪の中…

タクシーも走ってない

今改めて地図を見てみてもまったく土地勘のないところでそれなりの距離

駅員さんに教えてもらった手書きの地図を見ながら

道路も大雪で埋まって何も見えない

歩くと膝くらいまで雪でも埋もれてしまう道のりを

当時の自分はよく歩いて行ったもんだなと思う。

 

雪でぬれてべちょべちょになりながらも19時半近く

ようやくようやく会場に到着。

開演時間はとっくに過ぎていたが、

どうやらこの日は少し時間を遅らせて始まった模様。

席につき狂喜乱舞

確かLOVESONGあたりを歌ってたかな

会場は空きがありつつもそれなりに人が来ていた。

 

でもせっかくなんだからあの前の空いてる席に座らせてくれ~

そんな風に友人とこそこそ話した。

 

もちろんライブは最高に良かった。

遠い席だったけれどそんなの構わない

この空間を共に過ごせるだけで幸せ。

本当に来られてよかったと心の底から思った。

CHAGEさんもASKAさんもこの日のMCでは、しきりに今日はよく来てくれたと言ってたな。

 

そして大変なのは現実に戻っての帰路。

当然電車は遅延続き。

それでもどうにか電車を乗り継いで帰ったのは午前様

もちろん大目玉である。

勝手に会場に向かっていった上に中学生が深夜帰りなのだから。

 

そんな思い出をASKAさんのブログコメント欄に書いた2018年の2月12日

なんと!

ASKAさんがそれを見て当時の思い出を語ってくれた!

https://www.fellows.tokyo/blog/?id=775

 

あの日の舞台裏を少しだけ教えてもらい

そうだったのかあと、

そしてASKAさんの想いを書いてくれて

それはそれは感激の日

あの日のことが全部いい思い出となり

さらに深く心に刻まれることになった。

ありがとうASKAさん。

ASKA higher ground 仙台

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今回は初日には行けず、遠征してようやくようやく仙台公演で今ツアー初の参加。
賞賛の声はすでにSNSで見ていたから
期待がはちきれんばかりに膨らみつつ
どこか冷静でいようという自分もいた。

 

目指すは東京エレクトロンホール宮城

…ややこしい名前だな

年季の入った歴史を感じるホールだった。

 

そしてステージは今回緞帳がなかった。

 

メンバーがステージに入ってくるのが見える。

ストリングスによるオーバーチュア

聴いたことのないアレンジから始まり、

ASKAさんの手拍子
これはもしやあの新曲「Welovemusic」か!と気づく


そこから楽しさが全身からあふれる1曲目「僕はmusic」
いいなあASKAさんやっぱりステージを楽しんでる!

でも進むごとに今回は楽しいだけじゃないのを感じとる。



これはセクシーASKA
久々のゾワゾワ感だ

4曲目の「Fellows」

意外とここまでまだライブで歌われてなったねという感じ。
「僕は黙り込んだFELLOWS」で
ASKAさんが赤のギターをジャガジャンっとかき鳴らす音、響きがかっこよくて、
ギターがキラキラとライトを跳ね返して、何とも言えない瞬間。


真ん中あたりに早々にライブのサビが来る。
「RED HILL」だ。
ここら辺の選曲にすでに贅沢の極みじゃないですか。
脳内が忙しい。
シュッとしてめちゃくちゃかっこいいASKAさん
あのお姿は2008のシンフォ?いや2005のマイゲー?
そんな姿のASKAさんがのびやかな声であの頃の歌を歌う
お久しぶりのチャゲアス曲もたっぷり歌う

私は今、いったいいつのASKAさんを見てるのだろうか、

と幸福感に包まれつつ混乱する。


とにかく頭と感情が忙しい。

そんな中での質問コーナーと庄司さん(地元で有名な歌手の方)の油揚げの差し入れ
大爆笑
もういろいろ追いつかない笑

休憩後の
「you&me」でほっこりするも
「HEART」でもまた爆発。
これ最後に歌ったのいつだっけ?
そして驚きはあのマイクスタンドパフォーマンス!!
マイクスタンドをまたいでクネクネし、そして空中でクルクルしちゃう
こんなのいつぶりだよ!!健在だな!!
と、心の中で叫ぶ。

さらに耳も目も釘付けになったのは「百花繚乱」
もちろん初めて聴くので最初は新曲であるということしかわからなかったけど。
耳に届いた歌詞でこれがあの「百花繚乱」かと気づく。
力強くも妖艶な雰囲気。
待ってたよこれだよ!!!
力強くセクシーASKA全開にノックアウト。
ライティングも曲調にぴったり合っていてピンク色が印象的だった。

間髪入れず続く「higher ground」でさらに打ちのめされる。
この2曲のつなぎが最高に鳥肌もの。
ライブって最高!それに尽きる瞬間。

そして泣く泣く行けなかった因縁のalive in liveの
「RED HILL」と「higher ground」が
あの時のアレンジで聴けるという感激。

ポカーンですポカーン…

本編最後の「We love music」も
いままでのASKAさんの曲にあったようでなかったかもという曲調
ライブでの様子が浮かぶと言っていたので、
今回必ず入ってくると思ってたけど
ライブの序曲と本編ラストという粋な演出

そして今回の驚きはアンコールがアンコールを超えていたというところ
1曲目の「一度きりの笑顔」は澤近先生のピアノだけで
ここはアンコールのお楽しみ的な感じだったけれど
圧巻の「PRIDE」で胸を打たれ自然と涙が流れる。
何度も聴いてる曲なのに、これほど胸に響いたことはと驚くほど。
そして誰もが「えっっ!!!!」と思っただろう最後の曲が
「BIGTREE」
まさかこの曲をソロでやるとは・・・

聴きたいけど、絶対この先ソロでは聴くことはないだろうと思った。
感動。
大波に次ぐ大波に飲まれるのみである。

みんなが大絶賛していたセトリの理由がよく分かった
いくつか目にしてしまったけど
なるべく新鮮な気持ちでこの日を迎えたかったから

セットリストは見ずに臨んだ仙台公演。
その大絶賛のセトリは、それを今のASKAさんが歌うということだ。
完全に歌い上げるということだ。

そういう決意表明みたいなものと、
そしてこれからのライブは常に集大成、常にありったけという気持ち。
いろいろ感慨深くなってしまう。

ずっと見続けてきたASKAさんのこれまでと今が詰め込まれているのだ。
それを今回見ること聞くことができてよかったと思うし、
ずっとずっとこれからもそれを見届けたいと思う。

 

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海の底

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この街を見ていると
海の底に居るような気がする

 

大海に飲み込まれた人々には
暦が与えられず

 

キラキラと跳ねる
女性のうろこで四季を感じているような


息継ぎも満足に出来ないまま
人は追われるように歩き


甘い釣り糸に 群がる欲求を押さえきれず


約束ばかりの未来と不安ばかりの幸福が

やっと降りて来た光のように

大事に 大事にされている



      ASKA「SCENE」散文詩より

 


都会を海の底にたとえた見事に美しい詩
美しくも皮肉に描いた光が届かず季節を感じられぬ都会。


否定するわけじゃないけれど、
溢れるモノ、オト、情報や汚いものや、
きっと無意識にいろんな感覚器官を閉じなければやっていかれない。
これは都会に暮らしていた時には気づかなかったけれど、
地方に移り住んだ私が、
時折都会に出るようになってから気づいたこと。
そこにいるだけで、溢れかえるたくさんの情報にくたびれてしまうのだ。

 

<キラキラと跳ねる

女性のうろこで四季を感じているような>

 

この比喩が本当に瑞々しくて
素晴らしいと思う。
くるくる変わる女性のファッションから
でしか季節を感じられないということ。


ほんものの光や水や空気から切り離され、
そうするうちに人々には暦を失ってしまう。


私はこの自分の住む町に来て以来、
のびのびと感覚を開いていると思う。
町はひっそりとしてるのに、
景色や空気や草花たちは日々顔を変える。
さえぎる高い建物もない、
開けた空の夕日がとても美しくて
それだけで一日に感謝できるし、
息をのむような澄んだ星空の日には
寒さを忘れてしばし眺めてしまう。
そのことを感じてるだけで飽きない。

 

<約束ばかりの未来と不安ばかりの幸福が
やっと降りて来た光のように
大事に 大事にされている>

 

もうこれは何も言いようがないほど秀逸な喩えだ。
海の底に降りてきたささやかな光を
「約束ばかりの未来」
「不安ばかりの幸福」と呼ぶ。
「未来」と「幸福」どちらも本来は
希望や温かさを感じる言葉なのに、
「約束ばかり」と「不安ばかり」と
皮肉な冷たさを加え、
その言葉の温度を下げている。

 

忙しく常に動いていて、
たくさん消費し、
利潤の獲得をするのが大前提の世の中で
一体何が大事なのだろう。
何が大事にされているのだろう。
そんなことを考えてしまう。
もちろんそれは人それぞれなのだけど。

 

それにしても皮肉でありながら、
こんなにも儚くて美しい表現は素晴らしい。
最後には「これぞ飛鳥涼
というしかない詩のひとつ。

 

 

SCENE

SCENE

  • アーティスト:ASKA
  • 発売日: 1990/07/21
  • メディア: CD
 

 

 

せめて荷物は軽めにしてるよ

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僕は待ってるよ

いつだって待ってるよ

 

生きるって何だろう

 

そんな疑問の向こう側で

君たちの世界は 息をしているみたいだ

 

伝える言葉はないはずなのに

交わした約束は夢じゃない

 

誰にも 内緒だね

わかったよ 内緒だよ

 

いろんな予言書

そんな日まで 確かめるつもりもないし

 

僕は待ってるよ

いつだって待ってるよ

 

音楽はあるかい

恋愛はあるかい

 

聞きたいことは 山ほどあるから

せめて荷物は 軽めにしてるよ

 

子供の頃から 憧れてたんだ

いつか逢えると信じていたよ

 

僕は待ってるよ

いつだって待ってるよ

 

 

                      「SCENE」散文詩より

 

誰かに呼びかけているようなこの詩

読んだ人たちはどんな印象をお持ちだろうか

自分がこの詩に出会った中学生の頃は、

運命の人に向けられているのかと思っていた。

 

でもこの詩もまた、さまざまな歌詞やトークで出てくる

ASKAさんの「輪廻」の世界観をあらわしたものではないかと思った。

 

「生きるって何だろう」というのは誰しもが抱く疑問

度々ASKAさんも語る輪廻のこと。

それぞれの「生」には意味がある。

 

〈生きるって何だろう

 そんな疑問の向こう側で

 君たちの世界は 息をしているみたいだ〉

 

ただここで語られているのは

我々がそれぞれに生きている意味とは何ぞやというよりも

「生きている」というそのこと自体に意味があるのではないだろうか、ということ。

 

魂は自分の生まれるところを選び、そしてひとつの人生を送り、やがて閉じて、

それはまたいつしか繰り返される。

それが「人は誰も真っ直ぐ伸びた円を歩く」こと。

 

この詩の中で語りかけているのは現在の自分が、

過去や未来の自分自身の魂に語りかけているような…

もしかしたら、生まれ来る命かもしれない

 

 <音楽はあるかい 恋愛はあるかい>

 

聞きたいことはたくさんある、

どんな人生を送ってきたのか、送っているのか

またこれからどんな人生が待っているのか。

でも魂に遭遇するのは現世(ここ)ではないどこか。

生きているときの自分がもつ様々なしがらみ<荷物>がない

まさに魂一つの状態だろう。

 

「生誕の情景」「birth」にも繋がるような

命のはじまりと繰り返しを思い浮かべる印象の詩である。

ただ、本当に言葉遣いや表現が柔らかで優しい。

深いことを考える前に心の中で唱えると

とても心地のいい散文詩だと思っている。

 

 

 

 

やり直しがきかない人生

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「やり直しがきかない人生」 

人生はやり直しが 
きかないと思ってる 
教室で教え込まれた 
それは違ってると思う 

ダメでダメでダメになったとき 
もう一度はじめからじゃ 
嘘臭いと思ってる 

底から這い上がる 
力を学びたかった 

そして逆転は必ずある 

人は弱い 
が 
人は強い 


やり直しがきかない人生 
そんな中に人は生きてる 
やり直しがきかない人生だから 
かっこいいと思ってる 


『Red hill』 ASKA散文詩より


この詩を初めて読んだ中学生当時
ガツンと頭を殴られたような感覚を味わいながら
自分のまだ短い人生を振り返った
短いながらもずいぶん浮き沈みのあった今までを

そう、何か失敗したときとか
挫折したときとか
よく聞くのは
「イチからやり直せばいい」
という台詞

でもそれは確かにイチじゃない
自分はマイナスのところにいるのだ

そこから這い上がっていく
リカバリーしていくのは
とんでもなくパワーのいることである

「やり直す」
刷り込みみたいに言われ、誰もがそのように思っていたことを
見事に否定しながらも
それはダメなことだとするのではなく
力強く引き上げる言葉を綴る

何度となくこの詩に勇気づけられたことか
壁にぶち当たったり、
つまづいたりしたときに

そんな言葉の数々を世の中に送り出したあの人は
一度どん底に落ちてしまった

私にとっても辛い日々だった

自業自得とはいえそれを味わった本人の

苦悩とか絶望は計り知れない

 

それでも彼は這い上がってきた

20年以上前に書いたこの散文詩

自ら完成させるかのように

 

一発逆転ではない

少しずつ着実にマイナスからゼロへ

ゼロからプラスへ歩みを進めていく彼の背中を

これからもずっと見ていきたいと思う

きっかけは「太陽と埃の中で」 そして私は2度恋をした

CHAGEandASKAが好きになったのはまだ小学5年のころ。
鍵っ子だった私は、ひとり家に帰ってきて、
なんとなくテレビをつけるとタイム3というワイドショーをやっていた。

そこでエンディングテーマで流れていた曲に妙に魅かれたのだ。
二人組の男の人が歌っている。
その曲が「太陽と埃の中で」だった。
チャゲアンドアスカという名前はなんとなくインプットされたと思う。
「かっこいいなあ」とその歌がとても好きになり、
特に用がなければ終わりの時間に間に合うように
急いで帰ってきてテレビをつけることもあった。

それからほどなくして、やはりテレビから流れてくる曲に、
強烈に魅かれた。

「僕は上手に君を愛してるかい
 愛せてるかい
 誰よりも誰よりも」

CMで流れるこのメロディに雷を打たれたように痺れた。
多分そのあとにシングル発売のCMを見たんだと思う。
歌う人はめちゃくちゃ素敵な人だった。
私の王子様が現れたと思った。
「はじまりはいつも雨」
ASKAという人なのか…」
という情報を得る。
そういえばなぜか勝手に新人さんのデビュー曲かしらと思い込んでいた。

すぐに近くのレコード店に行って、
当時まだCDコンポはなく、家にはラジカセしかなかったから
「はじまりはいつも雨」のカセットテープを買った。
それまで母親が買っていたマイケルジャクソンのテープや
会社の人にダビングしてもらったといういろんな曲(ユーミンやサザンや久保田利伸だった)
が入ったテープを聴いたりしてはいたが、
初めて欲しいと思って自分のお小遣いで買ったのがこれだった。
何回も何回も繰り返し聴いた。
本当に大好きな曲を、大好きな人を見つけたと思った。

この時点で「チャゲアンドアスカ」とソロの「ASKA」は小学生の私の中では一致していなかった。

またほどなくして、「SAY YES」が主題歌となる「101回目のプロポーズ」を見るようになる。
「SAY YES」は大ヒット。
いろんなテレビに出ていたふたり。
「これがあのタイム3の歌を歌ってた人たちか~」
ということがわかり、さらには

チャゲアンドアスカのアスカとあのASKAはおんなじ人なんだ!!」

ということも判明する。
私は短期間の間にASKAさんに2度恋をしたようなものだった。

それ以来、歌番組やラジオは欠かさずチェックし、
発売日にはシングルを買い、アルバムも少しずつ集めた。
中学2年の時にはめでたくTUGofC&Aの会員になることができ、
史上最大の作戦で初ツアー参加を果たしたのだ。

 

Made in ASKA in HK ~本編~

香港ライブの幕開け(いや、緞帳はないんだけど)

いよいよメンバーさんがステージに上がり、

とうとうお待ちかねのASKAさんが登場。
会場は歓声と拍手で沸いた。
みんな一斉に立つ。

ズドンとからだに響く「未来の勲章」のイントロ。
さらに沸く会場。ASKAさん顔をほころばせながらで歌い始める。
思い起こせば、幸運にも見に行くことができたMV収録。
久々に歌う姿を見たのはこの曲だったんだ。
ここから新たなスタートというそういう曲なのだ。
調子はすこぶるよさそう。最初の一節でそう思った。
「クールでシュールでキュートな」のふりが今日もたまらなく可愛い…
「ONE」ここもまた1曲目とは違う歓声。ASKAさん、声つやっつやじゃないですか?!
ブリッジの「君と離れる~」のところ、スコーンと淀みなく上に響いていった感じ。
これだよASKAさん本来の声。
それから「明け方の君」。くるくる!という期待感。
ASKAさんの声にコーラスのお二人の声が冴え渡る。
そして「待たせたね~!!」
歓声が爆発する。みんなみんなこの時を待ってた。
私は今ツアー5回目となるけれど、やっぱりこの瞬間は飛び跳ねてしまうくらい嬉しい。

軽くMC。広東語で言ってたのかな。
あとどうぞ座ってと促されみんな座るも、「Cry」のイントロが鳴ると同時に立つ人は立つ。
日本人客はなんとなく周りをキョロキョロしつつ、立つ人は立つ。
国内では多分初日と2日目以外はここスタンディングで聞いてたもんね。
イントロで、曲間で「フー!」と言ったり拍手が起こったりとみんな楽しみ方、喜び方はそれぞれ。それがなんとも心地よい。


「Girl」この曲もまた皆さんの反応がいい。「ウワ~オ」っていう感じ。
とにかくこの日のGirl。一段と艶っぽい。

こんなにも間近で色気たっぷりのASKAさんが見られるなんてな。

そして「憲兵も王様もいない城」。

熱狂的なファンのいる所からわあっと歓声が上がる。
配信のみのこの曲の反応はどうかと思っていたけど、聴きたかった!という思いが伝わる。
「ひまわりのような~」のシャウトの部分がまたさらにパワフルでよかった。
そのシャウトにグッと引き寄せられる。そしてコーラスが美しい。
間奏部分の「恋人はワイン色」も国内と同様。観客もそれに気づいているなという反応がわく。
この曲のASKAさんの仕草、所々キュートで好きなんだよ…


また軽く英語でMC。何回も繰り返すみたいなこと言ってたかな。



「Man and Woman」
とにかくこの日とても感動した曲。
シンフォから何度も聴いたけれど、この日は自然に歌唱そのものに感動したんです。
澤近さんのピアノの美しい旋律。そこにASKAさんの声がとてもとてものびやかに、情感たっぷりに。
英語の部分も一語一語丁寧に歌ってる気がした。
これがASKAさんの言っていた、より伝えたいという想いなのか。
異国の地のライブだからこそ、言葉が伝わるように丁寧に。
もう涙が自然に出てきていた。
最後の最後の「and WOMAN~♪」も極上の響きで、その声にみんな酔いしれていたのではないだろうか。


「めぐり逢い」これもドラマの主題歌だったし、以前のASIATOURで歌っていたから、香港でもなじみの曲。
アレンジはソロVer.だけれど、久しぶりのなじみの曲をうんうんと噛み締めながら聴いてる雰囲気。
アウトロの「ララ~ウ~」がウットリするほど美しい。


そして「男と女」

今回のASIA TOURの目玉のひとつ。
ここはみんなじっくり座って聴いていた。やはり根強い人気曲なのだと感じた。
熱心な香港ファンのグループの人たちは、スローな曲では座ってあの光るうちわを揺らしながら見ている。

また軽くMC。英語で。
SAYYESの人と言われるけど、この曲で注目されるようになったということだったかな。
みんながSAYYESに反応しちゃって少し焦ってたけど。

ひときわ歓声が強かった「はじまりはいつも雨」
やっぱりこの曲の人気は海を越えても確かなものだということがわかる。
間奏にも沸く拍手や歓声。

この日はとにかく声がつやつやなので、
「誰よりも~誰よりも~」のところもたまらなくいい!
武道館が苦しそうだっただけに、今日のこのはじまりが聴けて良かったなと思うし、
みんな本当に喜んでたと思う。
なんだかちょっと90年代の頃の歌唱も思い出すようだった。

「いろんな人が歌ってきたように」
これはツアー中、毎回、何度聴いてもすごく感動する。本当に曲の持つ力とか説得力がすごいんだよ。


休憩はなく、袖に下がってもいなかったよね…確か。
めちゃくちゃ好調でぶっ続けでいくASKAさん。

「FUKUOKA」完璧です。もう完璧。相変わらずマイク遠い。
ギターを持って歌う曲が多い中、このスタイルは貴重。

「LOVESONG」でいよいよラストスパートに向かっていく感じ。
アレンジはソロVer.だけど、もちろん皆さん周知の歌って感じの盛り上がりでスタンディング。
さすがに「ラブソング!」のところで手をあげてる人は少なかったけど、この曲もみんなそれぞれノリノリで楽しんでいた。


「リハーサル」
イントロで「いえ~~~」の雄たけび。
「やりたいことをやるやりたいように」も今までになくはっきり聞こえた。
ノリノリだった雰囲気が一気にステージに引き込まれていく。ASKAさんの吸引力。あれは肌が粟立つようなすごい空気を感じた。
最後のシャウトも圧巻。


そして息をつく間もなく

「と、いう話さ」
もう今のASKAロックを見てくれと言わんばかり。
(でも出だしがね「砂漠で騒いで」って聞こえてね、ちょっとニヤッとした私)
ギターの中に澤近さんのピアノも冴え渡る。最高。
どんどん会場がエキサイトしていくのがわかる。
だって自分もまさにその渦の中にいるから。


「晴天を褒めるなら夕暮れを待て」

ピョンピョン飛んでたね、私。

ASKAさんもステージの上ですごく躍動感があって、楽しそうにキラキラしていた。イントロでもやってたのに1番と2番の間奏にもご披露されるあのハイトーンボイス。
だって今日のASKAさんは無敵だもの。絶好調だもの。そして客席を煽る煽る。最高。
両手を挙げて手を打ちながらのぼり詰めていく幸福感を味わう。

「ロケットの樹の下で」
ASKA~!」の歓声がなかなかやまぬ中、ASKAさんのギターと歌声で静寂が戻る。

一気に耳を傾けるオーディエンス。

大盛り上がりの後のこの曲はさらに一段と胸に来る。
一番のサビまではギターとASKAさんの声だけ。

そしてそこからぐわっと盛り上がる。
そういえばこういうテンポがゆっくりな曲は自然と座る人が多かったんだけど、この時は多くの人が立って見てた。
自然に体を揺らしながら見る人。私はいつの間にかこぶしを握って、すごく力が入っていた。
ああ、もうすぐ終わってしまう。

静かなイントロがはじまる。

「今がいちばんいい」
私はキタキタ…と思っているけど、
この日はASKAさん、まゆみっくすさん、西さんのあの縦に並んでやるポーズ見れました。
みんなの反応が面白かった。なんだろ、と思うよね。
そして泳ぐASKAさん笑。とにかくASKAさんが笑顔いっぱいで本当に楽しそう。
バンメンのみなさんも楽しそう。思い切り1の指を掲げ、そしてバンザイ!!
これもこのツアー最後だとありったけの思いを込めて。みんなバンザイしてたよね。

また止まない多くの掛け声の中、詩の朗読が始まる。
ASKAさんずっとにこにこ顔が治まることなくマイクに向かう。
本当にこの日は声が素晴らしく、詩の朗読すら艶やかな声で心地よく響く。より心とからだに染み渡るようだ。
日本語が母国語でない人たちは、どんなふうにこの詩の朗読を聴いているのだろう。
ASKAさんは日本よりもより大きい身振り手振りで、そしてずっと笑顔で嬉しそうに、朗読をしていた。「でもね最高じゃないか」という時の弾けるような笑顔は、本当にこちらを幸せな気持ちにした。


そして「歌になりたい」
度々両手を広げながら。伝えたいんだあ!!届けえ!!という気持ちいっぱいで歌っているようだった。会場全体がASKAさんの声とパワーに包まれているなと感じた。
ずっとこの時間が続けばいいのにと思った。

一度挨拶して下がる。

香港のアンコールは日本のそれとは少し違ったリズムだった。
そしてほとんど待つことなく再び登場。
ASKAさん「Don’t be shy!」と言って「YMCA」が始まる。みんな知ってるんだな。私から見える範囲の人たちは結構しっかり振りをやっていた。めちゃくちゃ楽しい。

最後の「秀樹感激!」と言っていたところは「I love Hong Kong!」でほっぺをたたいて締め。かわいい。


そのままの勢いで「YAH YAH YAH」!!
イントロのジャーンの音に合わせライトがパーーンと明るく光る。
一瞬なんだ?という気配も感じつつ、YAHのイントロだと気づきみんな一堂に沸く。
さらにエキサイトするオーディエンス。
台湾ライブで行われていたように、ここで私も購入したHONGKONG♡ASKAのタオルを掲げる。楽しい。こんなにもライブに参加してる、一体になってると感じるのは。海外なのに、アウェイとか感じることも一切なく、宇都宮の最高に興奮したあのライブと同じ感覚。そして拳をあげる。みんなも嬉しかっただろうな。ASKAさんもエキサイトしてるとイヤモニ外れてぷらぷらしてるよなあって思った。

「SAYYES」これも待ってましたと言わんばかりの拍手。みんな初めから歌っている。さっきのYAHもそうだったけど、ASKAさんさらに煽る煽る。欲しがり屋さんだなあと思いつつ一緒に歌う。その後のブログで書いていたように、国内ではやらないけど、海外での大合唱は演出になると、みんなに歌ってもらおうというその表れだったんだ。

MC何言ってたかほぼ覚えてないけど、また次も来るねみたいなことだったかな…

そして本当に最後の「UNI-VERSE」。
終わる~終わってしまう~

このステージを、
今日のASKAさんをしっかり目に焼きつけようとしてたのに、無我夢中すぎた。
改めてこの時ASKAさんをしっかり見ようと思った。
「心の中で繋がっているUNI-VERSE」のところで握った手と手をくっつける仕草。
一段とそれが大きく力強いと思った。
ASKAさんの音楽を通して、ここにいる人たち繋がってるよな…なんか素直にそう思えた。よかった。

終演。

みなさんがステージの前にきて挨拶。
ASKAさん、バンメンのみなさん、本当に清々しい、いい顔していたなあ。
抱き合うごとに足なんか絡めちゃって。嬉しさいっぱいで。
シンフォから続いた復活のステージ。これで本当に終わりだな。ここでいったん区切りで、
次はもう新しいステージだなと思った。拍手しながらいろんなことが思い出されて感無量。
涙も出るわ。

終演後、ポスターをもらって帰るのにしばし待機。
その間にみなさん、ステージ前で記念撮影。みんな幸せそうな顔してるなあ。
この中にいられることがやっぱり改めて不思議で、そして幸せ。
だって海外公演なんて今までは行きたいと思いつつ、現実の選択肢にはなかったもの。
でもASKAさんがブログで書いていた通り、日本とは違う海外のライブの空気を味わえ緒かった。
みんな喜びの表現がそれそれで、周りが座ろうが立とうが、それはその人の気分次第みたいなの。
自分もそうでいいんだって思えたら、最高に気持ちのいい時間になった。

とにかく特筆すべきはASKAさん絶好調で、

本当にラストのラストに相応しいライブだった。
声が最初から最後までつやっつや。歌詞間違えもほとんどなかったような…
MCも少なく休むことなく、全力で歌い切ったというこのライブ。
ちゃんと映像として残していただければよかったのになあと思う。

私はあれから香港旅と香港ライブを振り返るばかりだけど、
ASKAさんはもう全くとどまることなく、次に向けて動いている。

ついていかなくちゃ。

 

たくさんの人に出会えた香港ライブの旅。
今回行くきっかけとなった香港の友だちにありがとう。
そして何より歌い続けることを選んだASKAさんにありがとう。
香港でできた宝物は一生傍らに置いて大事にします。

 

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