やり直しがきかない人生
「やり直しがきかない人生」
人生はやり直しが
きかないと思ってる
教室で教え込まれた
それは違ってると思う
ダメでダメでダメになったとき
もう一度はじめからじゃ
嘘臭いと思ってる
底から這い上がる
力を学びたかった
そして逆転は必ずある
人は弱い
が
人は強い
やり直しがきかない人生
そんな中に人は生きてる
やり直しがきかない人生だから
かっこいいと思ってる
『Red hill』 ASKA散文詩より
この詩を初めて読んだ中学生当時
ガツンと頭を殴られたような感覚を味わいながら
自分のまだ短い人生を振り返った
短いながらもずいぶん浮き沈みのあった今までを
そう、何か失敗したときとか
挫折したときとか
よく聞くのは
「イチからやり直せばいい」
という台詞
でもそれは確かにイチじゃない
自分はマイナスのところにいるのだ
そこから這い上がっていく
リカバリーしていくのは
とんでもなくパワーのいることである
「やり直す」
刷り込みみたいに言われ、誰もがそのように思っていたことを
見事に否定しながらも
それはダメなことだとするのではなく
力強く引き上げる言葉を綴る
何度となくこの詩に勇気づけられたことか
壁にぶち当たったり、
つまづいたりしたときに
そんな言葉の数々を世の中に送り出したあの人は
一度どん底に落ちてしまった
私にとっても辛い日々だった
自業自得とはいえそれを味わった本人の
苦悩とか絶望は計り知れない
それでも彼は這い上がってきた
20年以上前に書いたこの散文詩を
自ら完成させるかのように
一発逆転ではない
少しずつ着実にマイナスからゼロへ
ゼロからプラスへ歩みを進めていく彼の背中を
これからもずっと見ていきたいと思う