「蝶々」 なんであのとき僕から逃げなかったんだろう 春が来る また思い出す カミソリでさっと引かれるくらいの深さと速さ それは三十年もの古い傷と新しさを重ねる痛み ただの人数合わせのために呼ばれた野球だった 特別からだの小さかった僕は バットに振…
日常の風景 ヨハン・パッヘルベルのカノンが流れる中を ひとりの青年がスローモーションで機関銃を撃ち放す その時 殺戮はまるで日常の風景のようだった かけ離れた出来事というものは他人事のようになるものだ 心の中にザラついたものがない 動かない絵を何…
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